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ボールペン1本ですら「ただ」じゃダメ…遅いと売り切れ、東大門を席巻した「ボルク(ボールペンデコ)」ブーム
SNSで広がった「ボルク」熱、東大門の商店街が大にぎわい
小さいけれど確かなカスタマイズ消費
「基本の軸はこっち、タッチできるのはそっちです。」
平日の午後なのに、東大門総合市場5階のアクセサリー副資材エリアの通路は人でぎっしりで、動くことすら難しかった。狭い隙間をかき分けて入ると、色とりどりのボールペンの軸がびっしり並んだ売り場が目に入った。横にはキャラクタービーズ、カラーチャーム、ミニフィギュアなど、数十種類のチャームやパーツ(装飾部品)が整然と置かれていた。
気を利かせたアルバイトが渡してくれたプラスチックのトレーに、チャームやパーツを入れていった。足りなくも多すぎもせず、軸のサイズにぴったり合うチャームとパーツを組み合わせるのは、思った以上に簡単ではなかった。3回目の来店だというチョ・ミンジさんは、「まず気に入ったキャラクター中心に入れておいて、あとで再組み立てするのがいい」と提案した。
午後6時が近づくと通路はさらに混雑した。後ろから人が押し寄せてきて、選ぶ手と足がずっとぶつかり合った。まるで通勤・退勤時間帯の地下鉄に立っているような気分だ。そのとき店の関係者が大きな声で、人気カラーのボールペン軸が品切れになったと案内した。
「ボルク(ボールペンを飾ること)」は、昨年末からSNSを中心に急速に広まったDIYトレンドだ。基本のボールペン軸を選び、さまざまなチャームやパーツを組み合わせて、自分だけのボールペンを完成させる“体験型消費”である。選んで、付け替えて、また置き直す――その選択の繰り返しで、計画なしに立ち寄った客も、いつの間にか売り場の前に長く滞在してしまう。完成まで短ければ10分、長ければ30分ほど。この短くない滞在時間が、売り場の前を一つの「遊び場」へと変えていく。
大学生のキム・スヨンさんは「動画では単純に見えた組み合わせ作業が、実際に売り場の前だとずっと複雑に感じた」とし、「自分で作ってみたら考えが変わった」と話した。キムさんが完成させたボールペンは、筆記具というよりグッズに近かった。彼女は「バッグにキーホルダーみたいに付けて持ち歩くつもり。好みがそのまま出るのがいい」と言った。
客層は大学生に限られない。昼休みの合間に立ち寄った会社員から、子どもと一緒に来た保護者まで幅広い。店員は「最初は20代のお客さんがほとんどだったけど、最近は10代・40代も多い」と話した。消費の目的も変わった。主婦のチャ・ヨンジェさんは「メモはスマホでするから、ボールペンは必ず必要な物じゃなくなった」とし、「『使わなきゃいけない道具』から『飾ってもいい小物』へ認識が変わった」と語った。機能の重みが抜けた筆記具が、好みを介して世代をつないでいる格好だ。
「ボルク」流行の核心は、コスパの良さだ。ボールペンの軸は1000ウォン前後、チャームやパーツは1個あたり数百ウォン程度。1本完成させるのに5000ウォン前後で済む。負担が少ないため、別のコンセプトで作り直してみる“再訪”も多い。始めから終わりまで、すべての選択を自分で決めるというコントロール感も大きい。完成品を選ぶ消費と違って失敗の負担は小さく、満足度は高い。ダイアリーを飾るとかアクセサリーDIYのように、長い時間や専門技術を求めない点も拡散要因として挙げられる。
さらに、東大門という商圏の構造的な背景も作用した。副資材の種類が多く、少量購入ができ、関連店が密集している東大門は、ボールペン軸とパーツをその場で選び、組み合わせるのに最適な環境を備えていた。欲しいアイテムを売り場でそのまま見つけて組み合わせる過程は、大型流通では体験しにくい「買い出しの楽しさ」を提供する。
専門家は「ボルク」ブームを、カスタマイズ文化のもう一つの地点として読む。キム・ソンユン・トレンド研究所長は「『ボルク』は、選ぶ楽しさと完成品の共有、そしてその“過程そのもの”が消費される時代に、その流れが最も小さく日常的な物へ降りてきた事例だ」とし、「市場の片隅から始まったこの光景は、いま消費者が何を面白いと感じているのかをよく示している」と分析した。
ただし、トレンドが続くかどうかはまだ未知数だ。キム所長は「こうした流れは、特定のアイテムに長くとどまるより、素早く別の対象へ移っていく」とし、「選んで組み合わせて完成させる消費の方式が、ボールペンの次にどんな日常小物へ広がるのかが見どころだ」と見通した。
引用元記事:https://n.news.naver.com/article/032/0003422363?ntype=RANKING


