韓国人「韓国年金を守るためには、日本以上に改革しなければならないらしい…」

日本の年金改革論議に主導的に参加した慶応大学商学部の権丈善一教授は20日、「韓国の年金を守るためには日本以上に強力な改革をしなければならない」と述べた。

権丈教授は、東京を訪問した李基一（イ·ギイル）保健福祉部第1次官と同行取材記者団に会い、韓国の深刻な少子高齢化と高齢化の速度に触れ、「保険料率の引き上げだけでなく、国庫支援のために増税も必要だ」と述べた。

現在、韓国で年金改革と関連して保険料率引き上げ、受給年齢上限など色々な方案が言及される中で、権丈教授は「マクロ経済スライドを導入すれば受給年齢上方修正を考慮しなくても良い」として日本が2004年に導入したマクロ経済スライドを推薦したりもした。

彼は何よりも年金は「貯蓄ではなく保険」という事実を国民が理解できるようにすることが年金改革を成功させる解決策だと見た。

2時間余りにわたって行われた権丈教授との対話を一問一答の形で整理した。

-- 韓国の国民年金保険料は20年以上9%にとどまっている。 --持続可能性のためにはどのような措置が必要だと考えるか。

▲ 韓国も少子化が深刻なうえ、まもなく超高齢社会に突入すると聞いている。年金を守るためには保険料率を上げるのは当然であり、税金も上げるべきだと思う。

-- 韓国はすでに基礎年金を30万ウォンずつ、全額国庫で支援して支給している。

▲ 改革は容易ではない。大統領も単任制なので年金改革をするにはさらに厳しい環境に見える。

-- --日本が年金改革をする時も抵抗が大きかったはずだが、どうやって改革案を通過させることができたのか。

▲ 当時は年金改革案というのが保険料率引き上げ、年金額削減、受給年齢引き上げの3つだという固定観念があった。ところが少子高齢化など財政関連社会指標によって年金額を調整するマクロ経済スライド構造を導入し、受給年齢に触れず年金支給額を減らす道が開かれた。「このようにしなければ年金が持続可能ではありません」と関係者たちに話し、関連データも公開した。他の国々の保険料率が私たちよりどれだけ高いのかも積極的に知らせた。

-- --マクロ経済スライドはどのような役割を果たすのか。

▲ 日本は2017年までに保険料率を18.3%に引き上げた後、これ以上引き上げないと宣言した。しかし、保険料率が固定された状態で少子高齢化が続く状況になるので、年金の持続可能性のために財源の範囲内で年金支給額を充当できるよう年金額を自動的に調整するようにしたのだ。こうすれば需給開始年齢について悩まずに済む。速いスピードで高齢化する韓国の状況を考えれば、この制度を導入するのが適切だと思う。ただし、制度が定着するのに時間はかかるだろう。
-- 高齢化で受給者が増えれば年金額は減る仕組みだが、反発はなかったか。

▲ 実際、最初はこの構造を理解した人はあまりいなかった。社会がこの制度を理解するのに10年ほどかかったようだ。年金制度は私たちの次、またその次の世代まで続くべきなので、受給者が引き続き年金を多く受け取るのか、それとも次の世代にもう少し譲るのかを決めなければならなかった。韓国もすでに年金を受け取る人の年金が調整できるという、難しい決定までも考慮しなければならない。年金が持続可能になるためには、これ以上の方法がないことを知らせなければならない。

-- --年金改革で最も重要なことは何だと思うか。

▲ 持続可能性が確保されれば、国民の信頼が生まれる。持続可能性と信頼があれば年金額が多くて少なくはそれほど重要ではなくなる。

-- 小泉純一郎首相（当時）の政治力が年金改革に大きく役立ったという評価がある。

▲ 小泉元首相は法律を通過させる力があった。この年金改革の意味を理解したかよりも力があったことが重要だった。彼の関心事は「少子化が続けば保険料をどこまで上げるべきか」であり、保険料率を18.3%に上げるということは理解して賛成したが、マクロ経済スライドに対しては理解できなかったと見られる。年金額が低くなる可能性があるという事実は知らなかっただろう。

-- --年金改革を控えた韓国に助言するなら…。

▲ 年金は「長生きする人々のための保険」という点を国民が納得できるようにしなければならない。保険は貯蓄ではない。自動車保険に入って事故が起きず、保険金を受け取れなかったと怒る人はいないのではないか。年金改革は年金をめぐって「損害」を語る経済学者との戦いだ。このような考えを持って、戦略を細かく練らなければならない。それなら2~3年間準備して改革を成し遂げることは楽しいことになるだろう。

引用元記事:https://is.gd/CsT85H